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zoom RSS 第60号 ASAHI PENTAX SP II  BLACK / ついにSシリーズまで……

<<   作成日時 : 2011/02/26 09:24   >>

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M42のへやにすべきか、ペンタックスのへやに入れるべきか随分悩みましたが(笑)、67 II がペンタックスのへやにカウントされているので一応ペンタグループに入れることに致しました。

さて、日本国内では正式発売されなかった、Sシリーズ最終モデル、SP II のブラックボディであります。
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アサヒカメラのニューフェース診断室「ペンタックスの軌跡」に、このSP II のブラックボディを分解した「ペンタックスSP II 解剖図鑑」がカラーで掲載されていました。
ということで、日本国内では遂にカタログには掲載されなかったSP II にもブラックボディがあることは知っておりました。
もっとも、国内販売されなかっただけで、海外ではごく普通にラインアップに存在したと言う話もあるようで、むしろ海外市場向けに企画されたリバイバルモデルともいうべきモデルであり、国内はおすそ分け、くらいだったのかもしれません。

かく言う自分は、大阪に出張した際に、あれこれと梅田のカメラやさんを覗いたのですが、そのうちの一軒にこのモデルが恭しく飾られているのを見つけました。お値段は確か「買えるものなら買ってみろ」的な 158千円 という冷やかしお断りとも受け取れるものでした。

で、ある日のこと。会合を終えた私は銀座のカメラ店を冷やかして帰るべく巡回コースを辿っておりました。三共カメラ三原橋のショウウインドウを眺めて、店内に入った私を出迎えたのは、これまたショウケースの上に無造作におかれたお値打ち品のカメラ達。そのなかにこのボディがひっくり返っていました。
SPFだろうと思ったところ、ボディ正面には" SPOTMATIC "の文字のみ。そう、SP II だったのでした。
「あら珍しい」と思わず声が出てしまいました。
「だろ?」おやじさんが「ふっふっふっ」という感じで答えてきます。
「これ、いくら?」
「1万円でいいよ」   う、高い。(高いか?)
モルトは死んでるし……。
まぁなぁ、今までSシリーズには絶対手を出さないことにしてたし、けっこう使用感あるし……ということで、一旦は店の外に出たのでした。
しかし、三越に行く前に「どうすっかな…… 標準レンズ1本余ってるんだよな…… SP II の黒なんて次いつ見つかるかわからないし…… オーバーホールで18千円はかかるなぁ……」と悩み始め、いいや、一万円なら買い!
面舵いっぱい!進路反転180度!!

ということで、初のSシリーズが我が家にやってきたのでした。ああ、ついに買ってしまいました。

ところが、このボディ、さっそくレンズをつけて絞り込みスイッチを上げて、シャッターを切るとあれ?シャッターが落ちない。しかし、露出計スイッチを上げない状態だと、きちんとシャッターは切れる。
露出計スイッチを上げると、ミラーが完全に上がりきらないのです。
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バルブにして、レリーズをロックしたところです。この通り、ミラーが上がりきっていません。

あらー、これじゃ使えないわ〜、返品するかなぁ?と悩みましたが、いや、ここでオーバーホールしてしまえばずっと使えるカメラになるし、ということでカメラサービス鹿児島さんへこのカメラは旅立ちました。

ミラーアップ不良の原因は、油ぎれによるシャッター幕速のゆるみ、それによるクイックリターンミラーの連動不良とのことでした。
油ぎれで幕速が緩んだ状態→露出計スイッチをオンにすると、連動機構に僅かに力がかかる→幕速が緩んでいるために、ミラーを蹴飛ばす力が不足し、ミラーが上がりきらない 
というものだそうです。

露出計は受光部品(Cdsでしょうか?)が+に吹っ飛んでおり、要部品交換なるも新品部品はないため、中古部品から流用して復活させる、とのことでした。


無事2月アタマ、このカメラはオーバーホールを終えて帰ってきました。
*各部オーバーホール
*シャッタースピード不良 修理・調整
*ミラーアップ不良、修理・調整
*モルトプレーン劣化、 交換
*露出計作動不良、交換・修理・調整
*ペンタプリズム 交換
*各部分解・点検・清掃・調整・修理
交換部品 受光部品(これは中古良品パーツ)、電池蓋、モルトプレーン、ペンタプリズム

リピーター割引も加わってますのでこれだけやってもらって\16,380でした。

さて、それでは本体を。
正面から。
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細い " ASAHI PENTAX "のブランドロゴが、1960年代を思わせます。慣れの問題なのですが、私はKシリーズの時代の "ASAHI PENTAX "の太いブランドロゴが好きです。

斜め後から。見慣れた各部の配置です。
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アイカップは純正FHを装着しています。ホットシューカバーはもうFKのストックがないので買って来なければなりません。
巻き戻しクランクの部分ですが、手前に緑色の彫り込み文字で" SHOE " "CONTACT "の2文字が記された真ん中にホットシューの設定窓があり、切り替えスイッチが組み込まれています。
これは日本国内で販売された通常のクロームモデルには搭載されていないのですが、ぐぐって見ますと、黒のSP II のものはいずれもこのホットシュー切り替えスイッチを持っています。海外向けの個体がそうだったのかもしれません。


裏蓋を開けてみました。ロック解除は一般的な巻き戻しクランクを引き上げる方式です。
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余計なものは一切ありません。

真上からです。
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左側、巻き戻しクランク周りにあるのは、フィルムインジケーター(自分で設定する)、上で述べたホットシュー接点切り替えスイッチです。
右、シャッター速度設定ダイヤル(グルグル回り可能)、その中に組み込まれたフィルム感度設定ダイヤル、巻き上げレバーとその中に組み込まれたフィルムカウンター、SPF/ES2にはあったのに、わざわざロックを外してしまい、初代SPと同じになったシャッターボタンがあります。
巻き上げレバーにはプラの指当てがなく。金属部品そのままですが、しゃかりきになって速写でもしない限り、特に指が痛くなるようなことはありません。巻き上げの感触は、KXで育った私には、ああ、ペンタ一族だなぁと思わせるものがあります。

ちなみにプラナー50mmF1.4 ZSはこの通りきちんと正面を向いて止まります。さすがです。

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標準レンズは、ベッサフレックス TM 銀に浮いていた復刻コシナ/オート・トプコール58mm F1.4を組み込み、晴れて完成とし、このアサヒ ペンタックス SP2 には追い出されたコシナ/カールツァイス T* プラナー 50mm F1.4 ZSを充当して、無事レンズとボディがうまく組み合わさることになりました。

ストラップは先般オークションに出ていた昔ながらの布カバーつきのオリジナルストラップをゲットしまして、時代設定をあわせています。なお、三角リングはなかったのでやむなくエツミのものを使っています。

ケースは、当初はオリジナルのものを買ってくるつもりだったのですが、不思議と探すと出てこないのです。で、いまあるものを試しに当ててみますと、プラナーがばかでかいためにどれも入らないのです。
さて、ケースなしはちょっと寂しいな、と考えるたところ、先般安く転がっていたので買ってきたLXのケースが1コ余っています。ものは試しで入れてみますと、センターの底ネジはバッチリですし、プラナーもフードを逆付けしたままでしっかり入りました!

そして先日、初出撃です。
せいぜい10カットというところで、まだフィルムが入ったままですが、とりあえず使ってみた感触は、「ペンタのカメラだなぁ」というごく当たり前のことでした。全く違和感がないのでした。
また、一旦露出を決めたら、あとはシャッターを切るだけという、どこにも電気スイッチのオンオフを必要としないその操作は、改めて写真を撮るという原点みたいなものを思い出させてくれました。

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ところで、Sシリーズという名称は、Kシリーズデビュー後「従来のねじマウントのペンタックス(以後Sシリーズと呼びます」とカタログに明記されております(1975年6月発行のKシリーズカタログ)ので、wikiの注意書きには疑問が残ります。
75年8月発行の「ASAHI PENTAX SYSTEM」カタログには6x7 series、K series、S seriesの3シリーズが一同に会し、「アサヒペンタックスシステムは35ミリ一眼レフのSシリーズとKシリーズ、および大型一眼レフである6x7シリーズの3シリーズにわかれています。」という言葉でスタートしており、「Sシリーズは伝統の技術と信頼性を受け継いで世界中で愛用され、今後もKシリーズと併行販売されます。ペンタックスシステムの、明日への可能性にご注目ください。」という言葉で締めくくられています。
以上の点から、wikiの「またペンタックスからPマウント機を統括した公式なシリーズ名はアナウンスされていない。」という記載は誤りであると考えます。Sシリーズと呼んでなんら差し支えないと考えます。

但し、この後に発行されたカタログではSシリーズボディおよびSシリーズレンズについての記載がなくなってしまいます。「LENSES AND ACCESORIES」カタログの77年6月発行のものには全く記載がありませんが、翌年78年4月の同じカタログでは裏表紙に小さく「Sシリーズの製品は、一部を除いて継続販売しておりますので各サービスセンターまでお問い合わせ下さい」と記載されています。私の持っているカタログでは、「Sシリーズ」という表記はこれが最後です。

78年5月発行の総合カタログには全く記述がありません。
そして、79年4月発行の総合カタログでは「Sマウントレンズを継続販売しております」と「Sシリーズ」ではなく、「Sマウント」に変わってしまっています。ちなみにそのレンズはというと、28mm F3.5、35mm F3.5、135mm F3.5、200mm F4、マクロ50mm F4の5本でありました。

86年10月発行のペンタックスガイドブックでは「旧ペンタックスSマウント(スクリューマウント)のボディーを(以下略)」という言葉で完全にSシリーズという言葉が消えてしまっています。なお、ここで紹介されているのは
*SMC TAKUMAR 35mm F3.5
*SMC TAKUMAR 135mm F3.5
*SMC TAKUMAR 200mm F4
*SMC マクロタクマー(何故かこのレンズだけカタカナ表記です) 50mm F4
*マウントアダプターK
*ライカマウントアダプターA(ライカマウントレンズをSマウントボディに装着するもの。接写しかできない)
*ライカマウントアダプターB(スクリューマウントレンズをライカマウントの器具につけるときに)
の7点で、「これ以外のものをご希望の場合には中古市場でお探しください」と明記してあります。
これ、最初に見たときにはぶったまげました。スゴイですよね、メーカー自らが「中古を探してくれ」と言っているのはかなり珍しいことだと思いますけれど……

というわけで、ざっと3年くらいしかカタログに載らなかった" Sシリーズ "という名称について、勝手に考察してみました。 


2011/7/25 追加

先月、ようやく撮り切りまして同プリに出しましたところ、数枚にカブリが発生していました。
最初から発生しているわけではなく、途中から数枚に出ているのです。
「裏蓋の閉じ方が悪かった」K2銀とは少し違うようなので、カメラサービス鹿児島さんへ問い合わせましたところ、「ネガと一緒に着払いでお送り下さい」とのことでした。

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送る前に問題の部分をスキャンして送ったのですが、やはりそれだけでは原因を特定するには至りませんでしたので、ネガを入れて発送しました。

到着したその翌日にメールで連絡がありまして、
「コマ間にも感光しているところがあるので、光り漏れはシャッター部分ではなく、裏蓋の蝶番部分からと推定します。遮光部品を交換しテスト撮影した結果問題ありませんでした、申し訳ありませんでした」とのことでした。
そして、本日、自分のネガ、テスト撮影のネガとプリントと共にSP II は戻って参りました。

まず修理から上がってきたら、やはり直ぐにテストすべきだ、と言うことですね。

2016/5/22 追加更新
ESII モータードライブのところで書いておりますが、こちらにも一部記事を追加します。

日本国内において、このSPII と言うカメラは1974年10月に発売となっており、当時の旭光学のラインナップであるESII、SPFといったTTL開放測光のカメラの中に、忽然と絞り込み測光のモデルが登場したわけです。
何で今更絞り込み測光のカメラ?という声が出たのは当然でした。しかも翌年6月にはバヨネットKマウントを擁したKシリーズがデビューしたことから、Sシリーズの最終モデルがこのSPII ということになっており、私もそう書いておりました。

しかるに、このモデル、海外では世界初のTTL開放測光の自動露出機であるESよりも先、もちろんSPFよりも前にデビューしており、M42マウントの最終モデルではなかったのです。最終モデルはSPFなのです。

ASAHI PENTAX SP  1964年 7月発売       1973年生産終了
ASAHI PENTAX SPII 1971年 4月発売(欧州)   1976年生産終了
ASAHI PENTAX SPII 1974年10月発売(日本)   1976年生産終了
ASAHI PENTAX ES 1971年10月発売        1973年生産終了
ASAHI PENTAX ESII 1973年 6月発売     1975年生産終了
ASAHI PENTAX SPF 1973年 7月発売       1976年生産終了

こう並べると非常にすっきりするのではないかと思います。
開放測光モデルに切り替わってるのに、わざわざ絞込測光のカメラなんか開発しないですよね。
日本市場に出してなかったモデルを出した、と言うことなんですね。






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