第73号 PENTAX MZ-60/二束三文シリーズその3

【このカメラボディは生きています】

画像

お値段500円。ジャンク並みの価格なのですが、きちんと正規品の棚に並んでおりました。
2500円でMZ2桁ボディが3台も揃ってしまいました。よーしあとはMZ-10だけだな(笑
*F50mm F1.7 はウチにあったものです。念のため(笑

「この辺の価格ということは、引き取りの時はタダですよね?」
「ええ、もうこの辺のカメラは正直買い取り出来ないんですね。なんかもったいない話ですけれど、商売なんで、もうどうしようもないんですよ」
そんなものを500円とはいえ買ってしまった私であります。もう次はありません。捨てるにしても金を取られそうなものですし、本当に可哀想なモデルなのであります。

さて、このMZ-60ですが、それまでのMZ-10から始まるMZ-10/30/50とは少し違ったデザインになっています。
画像


まず、一眼レフのイメージであったボディのグッタベルカ部分をシルバー塗装にしてしまい、黒い部分をグリップ部分だけにしてしまったのが目を惹きます。
この部分は軍艦部とは違うボディパーツなのですが、それでも「カメラ」の伝統に則り、MZ-30/50は黒色パーツを使っていました。しかし、このモデルはその伝統を捨て、軍艦部のシルバーと同系色を用いてきたのです。
ここから来る私のイメージは「コンデジみたいじゃん」

ボディデザインも、全般的に角張った形になり、Pシリーズ程のカクカクではありませんが、*ist やそのデジタルモデル、そしてその後の初期デジタルKシリーズ(K-xまで)続くイメージの先駆者であるK-30、Zフタケタモデルの流れを引き継いだK-50 とも違う、新しいものでした。
強いて言うと、この流れは現在途切れているK-S1/S2が近いかと。真四角なボディにドンとペンタプリズム・レンズマウントパートを載せたスタイルということで。
厳密に言うと、ボディ前面には後退角がついているので、真四角ではないですが。

マウントについてはこのシリーズ特有のエンプラマウントで、パワーズーム接点なしであり、絞り情報伝達レバーがないためAポジションのあるKAマウント以降のレンズでないとシャッターが切れません。

リアビューです。
画像

フィルム確認窓があるだけの、非常にすっきりとした眺めです。今のデジタルカメラではボタンだらけですが。

アイカップはFHを付けており、これは指定どおりです。
例によってペンタミラーファインダーであり、視野率はわずか90%、倍率は0.77倍。視度調整機構はありません。

デート機能ですが、省略されたわけではなく、ボディ左肩のボタンと、シャッターボタン手前にあるセレクトダイヤルで設定する形になりました。なお、年号は'99まで設定が可能なため、壊れるまで未来永劫?使用が可能です。

裏蓋を開けてみます。
画像


MZ-30/50 よりさらにコストダウンが進み?ついにフィルムガイドレールすらエンプラになってしまっています。
データ焼きこみのための接点が消えており、この辺はデート機構の見直し(進歩)によるものでしょう。

軍艦部を見て見ます。
画像

必要と思われるものだけに機能を絞り、コストダウンを進めた結果、ついにダイヤルがなくなってしまったのです。すっきりしているのはこのためでしょう。
プッシュボタンとセレクトダイヤル(不回転式、左右動のみ)だけという潔さ、というかチープさがなんともいえません。

ストロボを立ち上げた場合。
画像

ボタンプッシュであげることはできません。また、ピクチャーモードに設定していると勝手にストロボが立ち上がるので、不要な場合は絞り優先AEやシャッター速度優先AE,そしてマニュアルモードに設定しておく必要があります。

さて、このカメラですが、ファインダーを見ている限り、シャッター速度や絞りについての情報は一切表示されません。右肩にある液晶には表示されますが、撮影の時はファインダーを覗いて見てますから意味がありません。
MZ-30/50 ではちゃんと表示がされるのですが。

また、写真はありませんが、このカメラボディは三脚取り付けねじ穴部分までもがエンプラのようなのです。MZ-30/50もボディ底部はエンプラですが、この部分だけは金属の挽き物パーツであったのに、です。
力がかかるこの部分をエンプラにしてある、ということは、このカメラを使うユーザーは三脚を使わない、いや、そもそも持ってすらいないだろう、と見切ったからだろうと思われます。

このカメラですが、通信販売やテレフォンショッピング等のような、それまでのいわゆるカメラ販売店ルートよりも
むしろそう言ったお値段訴求型の販売のためのものではなかったのか、という感じがしてなりません。
自分は新聞の広告ページでこのモデル(確かレンズはFAJだったかと)を見たことがあるだけに、そう決め付けているだけかもしれませんが。

「一眼レフだぁ」と買っては見たものの、レンズ交換はレンズを持ち運ばなければならず邪魔、最初の数回使って「おお、すけーな」とは思うものの、いちいちめんどくさいので持ち運ばなくなりどこかへ行ってしまった、三脚なんかセットについてきたけどどこにやったかなぁ……というようなユーザーは結構多いと思われ、そしてそういう層は携帯・スマホ内蔵のカメラ機能で十分満足してしまっていると考えられます。なんせスマホの画面でしか見ないのですから。
かくして、趣味のカメラとも言いがたい、このクラスのフィルムカメラの存在価値は今となってはゼロに近く、私のようなコレクターに拾われでもしない限り、資源ゴミとして一生を終えることになるのでしょう。

寂しいなぁ……

画像


画像


ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 4

なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー)

この記事へのコメント

ぽんぽん
2019年02月21日 18:56
私も先日買いました。
400円でしかも2台。
何方も全くの新品同様で箱説明書も完備で。
実際にはかなり昔に所有してたのですがデジタル化する時に手放しました。
自分ではある意味で究極のMZシリーズの到達点?の機種だと勝手に思っています。
A・P(ブログ主)
2019年02月21日 19:59
ぽんぽん様)
コメント有り難うございます。おお、再度の入手ということですね? かつてお持ちだった頃への懐古から、とかそういう感じでしょうか。
仰る通り、ユーザー層を絞った、ある特定の層へのモデルだろうと思います。
まぁきちんとしたモデル(形容が難しいですけど)は、この御時世でも状態が良ければそこそこのお値段がちゃんとついて市場に出ることが出来るのですが、このあたりのプラカメは状態が良くても、悲しいかな二束三文という不遇の目に遭っていて可哀想です。
ただ、そのうちに完全に市場に出回らなくなってしまって、幻のカメラ達になってしまうのでは?という気もします。

ぽんぽん
2019年02月21日 22:18
お返事ありがとうございます😊
mz シリーズはMZ3以外は全て一度は手にしておりました。
正直なところmz シリーズの中ではMZLが1番完成度と言うか正常発展したカメラかな?と考えています。
今更の話ですけどね。
60にはXS40ミリのレンズ装着してみたら究極の軽さの一眼レフになりましたね。
写ルンです よりは良く写るはず。
この大きさ軽さでフルサイズデジ一眼出してくれないかな~
A・P(ブログ主)
2019年02月23日 00:40
ぽんぽん様)
おお、それはまた頑張られたですね。MZ-3だけ抜けた、というのもまた不思議な気がしますが。中古マーケットではMZ-3だけはなんとか踏ん張っている感じなのですけれど。
MZ-Lは海外ではMZ-6と言う名前でして、香港のカメラ店で新品が店頭にあったのですが、さすがに(笑
私もXSレンズは余ってるので、そう言う使い方もありますね。
小型軽量のフルサイズは確かに狙うべき市場なのですが、お気楽タイプはスマホにその座を奪われてしまっているので、正直勝ち目は無いと思います。
ですが、正直K-1を見ますと、かつてOM-1に「35mmフィルムカメラに求められた姿はそもそも何であったか?」と問題提起された事を思い出します。

この記事へのトラックバック